モーリシャスでは、電力に占める再生可能エネルギーの割合を、2030年までに現在の21.7%から40%にすることを目標としています。この目標は、IRENAやSEFORALLが世界的に掲げている、2030年までにエネルギーミックスに占める再生可能エネルギーの割合を30~36%とするという目標を上回るものです。これを受け、現在送電網に接続している実用規模の太陽光発電と風力発電のプロジェクト合計約80MWのうち、一次再生可能エネルギーによる発電量は、2016年の5.5%から8.1%に増加しています。政府は、再生可能エネルギーの電力構成比の目標値を2倍増と設定、以下の戦略を実施しています。
- 入札による実用規模の再生可能エネルギープロジェクトの実施。
- 再生可能エネルギーや高エネルギー効率テクノロジーへの投資により、家庭用電力の一部自家発電を奨励する。
- 企業、協同組合、宗教団体、政府機関に対して、必要なエネルギーの一部を再生可能エネルギーで賄うことを奨励する。
- 複合商業施設やスマートシティなどの新しい不動産プロジェクトにおいて再生可能エネルギーの統合を支援する。
- 最大200 Kwのパイロットプロジェクトを通じて、革新的なエネルギープロジェクトの開始を促進する。
- 商業、工業、家庭レベルでのエネルギー効率化プログラムの実施。
好調とはいえない世界経済の状況にもかかわらず、モーリシャス政府は2030年目標の達成に向けた取り組み実施を明示しました。目標達成に向け、さまざまな分野で一連の活動が行われています。
- 送電網の安定化に向けた14 MWのバッテリー貯蔵システムの試運転。
- タマリンド・フォールズ貯水池に2 MWの水上太陽光発電プロジェクトを設置。
- ヘンリエッタの太陽光発電所を2 MWから10 MWに増強。
- 低所得世帯向けにソーラーパネル1000枚を設置。
- 屋上太陽光発電所に25 MWの容量を開放。
- 商業系・産業系起業を対象としたMSDG(中規模分散型電源)に10 MWの容量を開放。
- バイオマス利用発電の枠組み構築。
- 国内や周辺諸国・地域のグリーンプロジェクトへの資金提供を目的としたグリーンボンドの枠組みの最終化。